第271章

島宮奈々未の脚が小刻みに震えるほど、丹羽光世の胸の内は落ち着かなくなっていく。

だが、こんなものがどうして出てきたのか――彼には本当に心当たりがなかった。

「奈々、聞いてくれ……説明する」

「いいわ。説明して」

「えっとだな、この清水乃亜ってのは最近入ったばかりで、下の連中が採ったんだ。俺は――」

島宮奈々未はぷいっと顔を背けた。

「聞かない。聞かないったら」

丹羽光世「……」

なんだそれ。典型的な理不尽じゃないか。

説明しろと言ったのも島宮奈々未、説明を聞かないと言い出したのも島宮奈々未。

男って、本当にきつい。

「……わかったよ」

丹羽光世はふう、と息を吐いた。

...

ログインして続きを読む